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标题 | 「~てみる」の意味とそれの実現する条件 |
内容 |
「~てみる」の意味とそれの実現する条件 吉川 武時 は じ め に 問題・方法・資料 「~てみる」の意味 1. あることを知るためにする動作をあらわす「~てみる」 1.1 知覚活動をあらわす動詞 1.2 知覚器官を働かせるための条件づくりをする動詞 1.3 情報収拾機能をあらわす動詞 1.4 単純動作をあらわす動詞 2.ある動作をした結果の状態を知るためにする動作をあらわす「~てみる」 2.1 語いのレベルでの考察 2.2 形態のレベルでの考察 2.3 構文のレベルでの考察 2.4 文脈のレベルでの考察 3.ある情報をもたらし,または結果を生みだすことになる動作をあらわす「~てみる」 は じ め に 本稿は,1971年にオーストラリアのモナシュ大学(Monash University)で,「現代日本語動詞のアスペクトの研究」1)という論文を書いた時,あつめた資料により,「~てみる」の意味について考えをまとめたものである。「~てみる」という形式はアスペクトとは直接関係ないが,ついでにカードをとっておいたので,そのカードを利用し,内容を検討して,稿をなしたのである。その際にも前述の論文を書いた折にも,モナシュ大学の方々,特に高橋太郎先生には絶大なる御指導,御教示をいただいたので,紙上をかりてお礼を申し上げる。 そのようなわけで,1971年に一応 成った本稿であるが,このたび「日本語学校論集」第二号の発刊に際して,そのページをかりて公刊・発表するしだいである。 問題・方法・資料 「している,してある,してくる,していく」のような「~て…」という形式が一単位となって,ある文法的意味をあらわすことがある。その際「している」を「し」と「て」と「いる」というようにバラバラに分けず,「している」全体を一単位としてとらえるということに注目していただきたい。このようなとらえ方をすることによって,「アスペクト」などの概念が容易に生じ,その他の日本語動詞の諸形式についても考察がすすめられるようになった。 ここで,いわゆる伝統的といわれる国文法における,「~て…」という形式のとりあつかいを見てみよう。 伝統的国文法では,「ごはんを食べている。」の「食べている」を 食べ…… 動詞「食べる」の連用形 て……… 接続助詞 いる…… 動詞「いる」の終止形 と分析し,特にこの場合の「いる」は本来の意味(「机の上にねこがいる。」の「いる」…≪存在≫)からずれた意味で使われているから補助動詞である,と説明する。 これに対して,松下大三郎博士2),佐久間鼎博士3),金田一春彦博士4),三上章博士などは,「食べている」を一単位として扱い,「食べる」に関するある一定の文法的意味(この場合は「継続」のアスペクト)をあらわしている,と考えている。分析するとしても, 食べて…… 動詞「食べる」の「て」の形,または「テ」フォーム,あるいは gerund いる……… 補助動詞,あるいは auxiliary verb のようにし,「て」という接続肋詞はみとめない。そして,「動詞の『て』の形に補助動詞のついたものは,ある一定の文法的意味をあらわす。」と説明する。 このような意味で補助動詞とされるものには「いる,ある,くる,いく,おく,しまう」(以上は主にアスペクトをあらわす),「やる,あげる;くれる,くださる;もらう,いただく」(以上はいわゆる「やりもらい」の補助動詞5))がある。 「~てみる」という形式も,このような意味で,一単位となって一定の文法的意味をあらわしているとみとめられる。松下(1924)では「経験態」をあらわすと説明され,佐久間(1957)では春日政治氏からの引用として「甞試」をあらわすと説明されている。 日本語を外国人に教えるための教科書6)を見ると,このような「補助動詞」について学習するための一課ないし数課が設けられている。 例えは,A.Alfonso の「Japanese Language Patterns」では, 17課において Verb Clusters として学習する。Niwa & Matsuda の「Basic Japanese for College Students」では,5課において,gerund plus Auxiliary Verb(aru,iru,oku,miru,shimau)として学習する。国際基督教大学の「Modern Japanese for University Students(Part I)」では,31課において「いる,ある」を, 35課において「おく,いく,くる,しまう,みる」を学習する。(株)ランゲージ・サービスの「Intensive Course in Japanese(Elementary Course)」では, 36課と 38課においてこの問題を扱っている。 S.Martinの「Essential Japanese」では,7課において gerund+miru が,10課において shimau,oku が扱われている。 S.Martin の本の7課では,gerund+miru は次の二つを意味する場合がある,と説明されている。 (1) does something to see(how it will turn out) (2) does something and finds out,or tries to do something(to see how it will turn out) この研究で特に重視した方法は次のとおりである。
|||「~てみる」の意味 「~てみる」の意味には,大きく分けて,次の二つがある。 (Ⅰ)あることを知るためにある動作をすること。 (Ⅱ)ある動作をした結果の状態を知るためにその動作をすること。 一般に「~てみる」は「ためしに~する」ということをあらわす。ここでは,それをさらにくわしく調べるわけである。 勝平 「お前さんだって私の話を 気があったから,迎えの車に乗ったんだろう」傷 68 この例では,話の内容を知るために「聞く」ことをする,という意味である。 それ から,瓶の栓を抜き,鼻にあてて。砂の女 31 この例では,瓶の中身は何かを知るために「嗅ぐ」ことをする,という意味である。共に(Ⅰ)の例である。 このように,あることを知るためにする動作として,が最も普通である。その他に,,ということがある。知覚器官を用いることをあらわす動詞には,「見る,聞く,嗅ぐ,味わう,さわる」とそれらの類義語がある。知覚器官を働かせるための条件をつくるとは,具体的には,じゃまになっているものをとりのぞいたり(「開ける,めくる」など),振向いたり,近づいたりすることである。 次に(Ⅱ)の場合を見てみよう。 勝平 「池内という男に俺が」傷 45 この例では,勝平が,池内という男に会った結果の状態を知りたくて,池内に会う,という意味である。 川島 「早速が,それにしても五隻は無理だ。」キスカ 35 この例では,話をした結果の状態,つまり司令部が五隻の軍艦をふりむけてくれる用意があるかどうか,ということを知るために話をするという意味である。共に(Ⅱ)の例である。 (Ⅰ)では意志動詞しかあらわれないが,(Ⅱ)では無意志動詞でも可である。7) 以上主な二つの意味の他に, (Ⅲ)ある情報をもたらし,または結果を生みだすことになる動作をあらわす。 という意味がある。この場合は,「~てみると,~てみたら」という形でつかわれる。例えば, 朝は やく,にわに,小さいめが,でていました。二上 41 というように。もっとも,この形になったからといって,(Ⅰ)(Ⅱ)の意味をあらわさない,というのではない。この間の詳細については,追ってのべることにする。 1.あることを知るためにする動作をあらわす「~てみる」 この意味を実現する条件として,動詞の語い的性格が大きく働いている。そこで,そこに使われた動詞を語い的に分類してみようと思う。 1.1 知覚活動をあらわす動詞 先にのべたように,あることを知るためにする動作とは,知覚器官を働かせることである。したがって,知覚活動をあらわす動詞「見る,聞く,嗅ぐ,味わう,さわる」及びそれらの類義語から,この意味がつくられる。 例 ① 見る―― 和子「8)なさい,この教科書,いたずら言きばかり」非 77 のぞく―― 戸口の中を。砂の女 54 見なおす―― 石丸「ところで,この靴をもう一度」天 1 ② 聞く―― 勝平「お前さんだって私の話を気があったから,迎えの車に乗ったんだろう」傷 68 ③ 嗅ぐ―― それから,瓶の栓を抜き,鼻にあてて。砂の女 31 ④ 味わう なめる―― においを嗅いで,。砂の女 40 ⑤ さわる―― こわごわ手をのばし,そっと指先で。砂の女 84 ふれる―― 扉に手を。白と黒 52 1.2 知覚器官を働かせるための条件づくりをする動詞 知覚・認知できる条件をつくりだすために,じゃまになっているものをとりのぞくことがある。見るためにじゃまになっているものをとりのぞくことをあらわす動詞とは「開ける,めくる,掘り返す,はがす」などである。聞くためにじゃまになっているものをとりのぞくことをあらわす動詞,嗅ぐためにじゃまになっているものをとりのぞくことをあらわす動詞,……と,前にのべた五感のそれぞれについて,じゃまになっているものをとりのぞくことを考えることができるのだが,実例では,「見るために…」つまり上にあげた四つの動詞しかなかった。 例 開ける―― あわただしく,新聞の包みを。砂の女 31 ―― あがりがまちに,腰をおろし,リュックを。砂の女 29 めくる―― 腰をおろして,ふと,奥の部屋との間をへだてているムシロを。砂の女 18 ―― 男,片膝をつき,注意深く。砂の女 7 掘り返す―― 「,案外,金目のものが出てくるかも分からんぞ…」砂の女 67 はがす―― 女「埋った家の,天井板を,中からキュウリでも出来そうな,よく肥えた土地が出て来たって言いますから…」砂の女 16 知覚・認知しやすい条件をつくりだすことをあらわす動詞として,「電話する,振向く,近づく」がある。 例 電話する―― 平井「今朝,出て来ないから,うちへ,彼の細君が『会社の用で出張したんじゃないんですか?』だってさ」女 97 振向く―― おびえた表情で,戸口のほうを。砂の女 35 近づく―― 秋彦,。傷 125 1.3 情報収拾活動をあらわす動詞 次の例では,動詞自身があることを知るための活動をあらわしている。「あることを知るための活動」といえば,以上のべてきた動詞もそうであるが,次にのべるのは,そういった知覚・認知活動がふくざつに組み合わさった一つの活動を意味する動詞である。 例 調べる―― 番頭「から暫くお待ち下さい」白と黒 163 ―― 勝平「竜太郎,お前はひとつ極秘でこれをくれ,」傷 45 ―― 竹雄「ぼくはきのう,一日がかりで有馬の事業を。」傷 124 さぐる―― 村の衆の手をかりながら,男,足で梯子を。砂の女 13 調査する―― 勝平「どういうたちの人間か,よく。」傷 139 点検する―― ちょっと考え,仕掛け全体をことにする。砂の女 75 研究する―― 勝平「私の会社では七年も前にこれと同じ計画を立ていろいろんですが……」傷 46 計算する―― 勝平「損害だとおっしゃるが,利益のほうも同時にか,」傷 28 ―― 東「今津君,最初は大丈夫だと思ったが,一票々々予想外な激戦だよ」白い巨塔 84 分析する―― 戸倉「未使用のものを,九○パーセント以上のものであることがわかりました。」天 79 |||1・4 単純動作をあらわす動詞 次の例では動詞自身は,あることを知るための活動の意味はないが,「てみる」の形で使うと,あることを知るための活動を意味することになる。 この場合,「てみる」の働きは,1.1~1.3 の場合の「てみる」の働きより大きいと言わねばならない。 振る―― ヤカンを。砂の女 35 掻きまわす― 砂の中を手をつっこんで,。砂の女 22 突く―― 捕虫網の柄で草の根もとを。砂の女 8 つける―― 水の中に,指を。砂の女 75 行く―― 穴のふちをまわって,海の見える所まで。砂の女 85 ―― 人々は,さそい合わせて,湖の向こうの森へも。五下 12 廻る―― 秋彦「いまはあまり行きませんが,以前には関東地方のクラブはたいてい。」傷 128 ―― 家のまわりを,二,三度。砂の女 22 2.ある動作をした結果の状態を知るためにする動作をあらわす「~てみる」 この意味を実現する条件として,語いの面,形態の面,構文の面,文脈の面と分けて考えてみよう。 2.1 語いのレベルでの考察 語いの面では,コミュニケーション活動をあらわす動詞が「~てみる」の形になってよく使われる。 例 話をする― 川島「早速が,それにしても五隻は無理だ。」キスカ 35 ―― 竹雄「ただ,ぼくたちの共通の立場というか,境遇というか,いろいろと思ったんだ」傷 81 ―― 池内「あなたが土地を売りたいというなら,香月さんに。」傷 105 話す―― 勝平「あの人は,ええと,福村君でしたな,先日いろいろと訳だが,あんまり賛成してくれなかったようだったな」傷 63 会う―― 勝平「池内という男に俺が」傷 45 たのむ―― 女「つぎの配給のときに,カミソリか」砂の女 48 (電話を)かける― 綾子「ええ,出先をきいてね,そちらへもらうのよ。」傷 181 (電報を)打つ―― 秋谷「無電を打つだけ。」キスカ 14 次の例では,あることを知るためにする活動をあらわす動詞が,ここの意味で用いられている。 相談する― 勝平「酒井君にもどうかね」傷 59 ―― 藤子「お父さんに」傷 156 連絡する― 大沢「大学時代の友人で,一,二,彼と親しいのがおりますから,…」白と黒 125 呼ぶ―― 綾子「小桃さんをくれない…」傷 181 何か悩みごとを解決するにはどうしたらよいか知ろうと思って「相談する」のであるが,同時に,その結果どういうことになるかということを知るためにも「相談する」のである。 次の例のように,結果の成就を問わない意味をあらわす動詞もある。 合わせる― 男,こわれた箱をひろって,。砂の女 73 はさめる― イロリから木版をひろい,ひらいた間に,する。砂の女 48 「合わせてみたがうまくいかなかった。」「合わせてみたがうまく合わさらなかった。」のように実際には合わさらなくても「合わせてみた」と言えるのである。この場合の「~てみる」は「~ように努力する」という意味である。 次に,その他の動詞の例と,それぞれの解釈をあげておく。 近づく―― やり方を変えて,口笛をふき,手を差しのべながら,。砂の女 58 「近づく」という動詞は,1.にもでてきたが,この例の文脈では,「犬をだまらせるために,いろいろなやり方をしてみた,その一つとして手を差しのべながら,近づいてみた」という意味である。 立候補する― 岩田「どうだね,来年あたり,浪速大学の学長には」白い巨塔 59 この例では,立候補すれば,当選か,落選の結果がまっているわけであるが,その当選か,落選かの結果を知るために立候補する,という意味であろうか。 |||2.2 形態のレベルでの考察 形態の面で,まず「~てみても」の意味を考察する。 倉崎 「これはまだ,電車を,当分使いものにならんのじゃないですか」傷 64 この例文で「引いてみても」と単なる「引いても」とを比べてみると,前者が非実現の仮定(発現しないことを仮に考えてみる),後者が実現の仮定(実現すること,しそうなことを仮定する ―譲歩の意味になる―)をあらわしていると言える。 ゴ ースーゴースー,ムニヤムニヤねごとを,どうしても目がふさがってくれないのです。一下 88 この例文の二つの「~てみても」では,「~てみる」は実際に行動を行なうことをあらわしている。もちろん,「目がふさがるかどうか」知るために行なう行動である。 こ のことは,新聞をとっている一けんの家族の構成を,わかるであろう。六上 58 この例文の「~てみても」は「わかる」と共に慣用句的に使われている。そしてこの「~てみる」は,その動作をした結果「わかる」かどうかを知るためにする,という意味である。 次に「~てみたい」について考察する。 あのくもになあ。一下 79 あのにじのしたまで,な。一上 65 これらの例では,「~てみたい」を単なる「~たい」と比べてみると,前者は後者より強い希望をあらわしていると言える。 単なる「~する」が一般的なことをあらわすのに対して「~してみる」は個別的なことをあらわす,という原則がある。例えば,「~すると」は一般的な条件をあらわす形で,個別的な条件をあらわす「~したら」と対立する。そして,次のような例は正しいが,*をつけたような例は正しくない。 風がふくとおけやがもうかる。 シブ柿をたべるとおなかがいたくなるよ。 *風がおけやがもうかる。 *シブ柿をおなかがいたくなる。 「のりたいな」と「のってみたいな」を比べると,後者の方が強い希望をあらわすというのは,「~てみる」が個別的なことをあらわすところから,発言者個人の具体的な希望をあらわすようになり,これが「てみる」のない形より強い希望として感じられるのではないかと思われる。 「~てみたい」はさらに,「~てみたいと思う」「~てみたくなる」という形で用いられる。例えば, 秋山 大きくなったら,。二下 25 王様は自分で。三上 117 このように「~てみたい」の拡大形も含めて,「~てみたい」の形で使われる動詞のなかには, 1.にあげた「知覚活動」「情報収拾活動」をあらわす動詞もあるわけである。例えば, たぬきは,あまいおさとうを。二下 70 それがほんとうかどうか,。三上 102 これらの例では,「~てみる」の個別性,具体性の意味はあるが,単なる「~たい」より強い希望の意味があるかどうか,うたがわしい。これは強さの程度の問題だから,それよりこの方が強いと実証することは困難であるが,次のような,一般の動詞の例と比べて,何か差が感じられないだろうか。 あの くもになあ。一下 79 「力 いっぱい,トランペットを。」五下 11 ネル ロも,〔てんらん会に絵を〕。四下 123 ぼく はこおりの上を。二下 42 広次 は,なんだかはらがたってきて,いたずらが。四上 8 次に命令・依頼形「~てみろ・~てみて下さい」等の場合を考察する。 命令・依頼形としては,その他に「~てごらん」がある。「みる」の代りに使われた「ごらん」である。 命令形の例 尾形「早坂,」非 20 依頼形の例 ふみこ: そうですね。では,はじめに,かかりのしごとについて,。三上 13 「ごらん」の例 男「…常識でなさいよ!…」砂の女 16 斉藤「なさい」傷 190 命令形の場合,その結果どうなるかを知るのは話し手である。例えば, 吉野「旗野,××の方程式を」非 65 という例では,話し手吉野先生が,旗野が××の方程式を知っているかどうかを知るためにした発言であって,旗野自身が××の方程式を知っているかどうかを,彼に認識させるためにした発言ではない。 依頼形,「ごらん」の場合,さらに次のような表現の場合に,その結果どうなるかを知るのは聞き手である。 男「…あんたも,よく,自分の立場を考えてみるんだな…」砂の女 35 形は命令形でも,「仮定」をあらわしている,と言いうる特別の場合がある。例えば, 大村 「錨を打ち込んだところを。敵機が飛んで来るのに一時間とはかからんだろう」キスカ 59 「見い」というのは「見ろ」の方言形である。この例では無意志動詞が使われている。 本節は形態の面でいろいろ見て来たので,最後に①「~てみると」②「~てみたら」③「~てみれば」などの 条件をあらわす形式についてものべなければならないのであるが,①②では,次章にのべる 3.の意味になることが多いし,また特に文脈があれば前章 1.の意味になるので,ここでは,本章 2.の意味でしかもこの条件の形をもつものだけについて言及する。 次のような例がある。 高山 いろいろ意見が出ましたが,紙くずばこを作ることにしぼってどうでしょう。五上 17 これは,「~てみたらどうでしょう。」で一つの慣用的な言い方と見ることもできる。これから進んで,「どうでしょう。」が省かれてしまうこともある。例えば, ゆたか 手分けをする前に,学級文庫のかかりにはどんなしごとがあるか,。三上 13 ゆきこさんをよんで,。三下 66 2.3 構文のレベルでの考察 次の例のように,「~てみる」は「とにかく,少し」等とともに使われることがある。 杉本「とにかくすぐよ」女 6 田代「少しか」女 70 青木「よし,降りて少し」天 74 この場合,「その結果どうなるかを知るためにする」という意味はずいぶん弱く,単に形式的に「てみる」が使われているようである。また,「少し」も,本来の意味どおりの「少し」であるかどうかうたがわしい。 |||2.4 文脈のレベルでの考察 次の例では,「てみる」を使うことによって,「その結果どうなるかを知るためにする」という意味になる。「てみる」がなければ,この意味は出てこない。ここにあらわれる動詞は,一般の動詞であって,意志動詞であるという以外に特別の特徴はない。 例 おす― そっと女の肩を。砂の女 53 蹴る― やや乱暴に,グルブシのあたりを。砂の女 53 引く― さらに強く。砂の女 54 (体重を) かける ―ロープにつかまり,そろそろと体重を。砂の女 56 あてる― 男,ハサミをヒゲに。砂の女 48 変える― 歩きかけて,ためらい,ちょっと方向を。砂の女 61 前節と本節の「てみる」を比べてみると,その働きに強さのちがいがあるのがわかる。前節では,その働きが弱く,本節ではそれが強い。働きが弱いということは,それがなくても意味がほとんど変わらないということであり,働きが強いということは,それがないと意味が変わってしまうということである。どちらの場合も「みる」は補助動詞とされているが,それでいいかどうかは今後の課題である。 3.ある情報をもたらし,または結果を生みだすことになる動作をあらわす「~てみる」 2.2 のおわりのところでのべておいたように,「~てみると,~てみたら」という形は,たいでいの場合,「~した結果転々ことを乱す」という意味になる。これは“大ていの場合”であって,「~てみると,~てみたら」という形がすべてこの意味になるということではない。第1章,第2章にのべた意味になる場合 もあり,それらの意味と本章の意味との中間の場合(つまり「ためしに~す る」という意味があるかないか分からない場合)もあるので,これらのことについては後に考察することにする。 さて,典型的な本章の意味とはどのようなものか,次の例を見ていただこう。 キヨ 「ハイ…,奥さんが…」白と黒 12 宮田 「地下室から,何時の間にか,原子爆弾で地球が全滅しててよ,生きてんのは,俺たちだけになるんだ」非 126 女 「毎朝,ねるとき,,また一人になっているんじゃないかと思って…」砂の女 73 その ばん,予定の村にとまって,あくる朝,,空はすっかり,黒ずんだ雪で重たくおおわれています。五下 121 これらの例では,本章の意味がよくあらわれている。例えば,最初の例で,「奥さんが(大変なことになっている)」ことを知るために「帰って来た」わけではなく,「帰って来た」結果,「奥さんが(大変なことになっていた)」ことを知るわけである。同様の例をもう少しあげよう。 ,日本は十一年の間にめざましい移り変わりを見せていた。五上 137 かわ らに,川には,こおりが,はっていました。二下 73 ,そのすには,おじいさんのすずめが,住んでいました。三下 43 外へ ,大きなおおかみが,ひつじにとびかかろうとしています。二下 97 次に,中間の場合を考察してみよう。 うら に,おかさんが,あかちゃんをおんぶしてくれといいました。三下 19 この文の前に,「わたしは,うちへ帰りました。だれもいません。うちじゅうで,だっこくをしていたのです。」という文脈がある。とすると,「うらに行ってみると」は,「だれかうらにいないかと思って」「うらにだれかいるかどうか知るために」という意味を帯びてきて,第1章にのべた意味になる。このように,単独では本章の意味にとれるものでも,実際の文脈中にあっては,第1章の意味で使われているものが多い。次の例もそうである。 おか あさんが,お客は,近所の山田さんのおねえさんでした。三下 79 (この文の前に,「げんかんで,女の人の声がしました。」という文脈がある。) きょ うしつに,先生が,しごとをしていました。二上 6 (この文の前に,「ゆりこさんは,ぼうしをきょうしつにわすれてきたことに,きがつきました。ゆりこさんは,いそいで学校へひきかえしました。」という文脈がある。) 最後に,第1章の意味で用いられている「~てみると,~てみたら」の例をあげる。(すでに 1.2 であげた「掘り返す」「はがす」の例も「~てみたら」の形であった。) だれ だろうと思って,佐吉であった。四上 131 この例では,「だれだろうと思って」と,「のぞいてみる」理由がはっきりあらわされている。 キャ サリンが心配して,ハリエットがげきを作ることに熱中していることがわかった。六上 139 この例では,「~ことがわかった。」と,これまた,「何か知るために調べてみた」ということの意味を裏付けする文句が使われている。次の例も同様に考えることができる。 友人 に,「……」と,教えてくれた。四上 55 くき の高さを,十八センチメートルありました。二上 43 注 1) 吉川武時「現代日本語動詞のアスペクトの研究」Linguistic Communications9,64-236,1973 Melbourne 2) 松下大三郎「標準日本文法」紀元社 1924 3) 佐久間鼎「現代日本語の表現と語法」恒星社厚生閣 1957 4) 金田一春彦「日本語Ⅲ文法」世界言語概説下巻(市河三喜・服部四郎共編)160-200,1955 研究社 5) 豊田豊子「補助動詞『やる・くれる・もらう』について」日本語学校論集1号,77-96,1974 6) 引用した日本語の教科書は次のものである。
日语小常识:假名中最基础的就是五十个清音了,称为“五十音”,不少原来想自学日语的朋友就是被它挡在了门外。你不要看它们很多,就被吓住了。其实,它们是有规律的。它们每五个一行,一共是十行。下面就是“五十音图”了,你花几秒钟大概看一下,不需要记住任何东西,有个印象就行。 日本留学网https://riben.liuxue86.com友情提醒,点击日本留学网考试频道可以访问《「~てみる」の意味とそれの実現する条件》的相关学习内容。 |
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